秋から冬にかけてインフルエンザが毎年のように流行しています。予防をしてインフルエンザにかからないように対策をしておきたいですね。インフルエンザ対策には、いろいろな方法がありますが、室内の空気をキレイにして、インフルエンザウイルスを空気中から除菌するために、空気清浄機を使っている人もいるのではないでしょうか?
目次
空気清浄機はインフルエンザウイルスを除菌できるのか?
しかし、果たして空気清浄機はインフルエンザウイルスを除菌できるのでしょうか?結論から言うと、空気清浄機はウイルスを除菌する効果はありません。あくまでも、空気をキレイにする装置で、ウイルスを除菌はしてくれません。
空気清浄機の役割は、
- 集塵用フィルターでほこりや微粒子(PM2.5など)を集塵する
- 脱臭用フィルターでタバコやペットなどのにおいを脱臭する
- カビや花粉などを集塵して抑制する
です。なので、インフルエンザウイルスは除菌できません。カビなどの菌やウイルスを取り除くと謳っている空気清浄機もありますが、主にニオイに関する菌やウイルスを対象にしており、インフルエンザウイルスを除去するものではないのです。
プラズマクラスターはインフルエンザウイルスを除菌するのか?
シャープの空気清浄機にはプラズマクラスター機能を搭載しています。プラズマクラスターとは、イオン濃度を高めることにより、空気浄化力の向上させたり、そのほかの効果をもたらしてくれます。このプラズマクラスターには、浮遊ウイルスや付着ウイルスの作用を抑える効果があります。
シャープでは、さまざまなインフルエンザウイルスに対する実証実験が行われています。
例えば、H1N1型インフルエンザウイルス浮遊について、高濃度プラズマクラスター(イオン濃度:25,000個/立方センチメートル)が25立方メートル(約6畳)の空間で、経過時間が約66分でウイルスの感染力を99%抑制することを実証しました。(実証機関:ベトナム ホーチミン市パスツール研究所)
また、ガーゼ布に付着したH1N1型インフルエンザウイルスについて、プラズマクラスター発生装置を用いて、イオン濃度約25,000個/立方センチメートル発生させて、25立方メートル(約6畳)の空間で、約11時間後、ウイルスの感染力が99%以上抑制される結果が得られました。(実証機関:(株)食環境衛生研究所)
H1N1型インフルエンザウイルス 実証実験 ニュースリリース
このほか、H5N1型トリインフルエンザウイルスやH7N9型トリインフルエンザウイルスなどのインフルエンザウイルスで実証実験が行われ、良好な結果が得られています。
プラズマクラスターによって、インフルエンザウイルスの感染力が抑制されている実験結果が得られていることから、インフルエンザウイルスに有効に働くと考えられます。浮遊するインフルエンザウイルスだけでなく、付着したインフルエンザウイルスにも有効であるという結果も得られています。
プラズマクラスターを継続して放出しなければならないので、シャープの空気清浄機を長時間稼動させる必要はありますが、インフルエンザウイルスの除菌に有効に働いてくれるでしょう。このことから、シャープのプラズマクラスター機能付き空気清浄機は、インフルエンザウイルスの除菌に有効と言っていいでしょう。
除湿機能でインフルエンザウイルスを不活性化
空気清浄機には、除湿機能が付いているものがたくさんあります。インフルエンザウイルスを不活性化させる最適な環境は、室温20℃~25℃、湿度50%~70%に保つことだと言われています。
室温を上げるのは、暖房器具に任せるとして、湿度を上げるには、加湿機能が有効です。加湿機能付き空気清浄機であれば、加湿をすることによってインフルエンザウイルスの増殖力や感染力を抑えることができます。
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インフルエンザウイルスを除菌できる空気清浄機とは
インフルエンザを除菌するときに用いられる洗浄剤として有名なものに、次亜塩素酸があります。実は、この次亜塩素酸を使った空気清浄機があります。それが、パナソニックから販売されている「ジアイーノ」です。
正確に言うと空気清浄機ではなく、「次亜塩素酸 空間除菌脱臭機」という位置づけになっていますが、空気清浄能力もあって、PM2.5や浮遊した花粉・ハウスダストも捕集できます。最新鋭の本格的な空気清浄機には、空気清浄機能は劣りますが、基本的な空気清浄機能は搭載しています。
ジアイーノが、空気清浄機と異なる点は、菌やウイルスの除菌効果がある点です。さらに、空気中のウイルスのみならず、揮発した次亜塩素酸を空間に放出するので、室内のドアノブ、家具、カーテンなどに付着した菌やウイルスにも効果を発揮します。もちろん、対象のウイルスの中にインフルエンザウイルスも含まれており、インフルエンザを99%以上抑制することでも注目されています。
実際に検証を行った実験では、約25立方メートル(約6畳)の空間で、検証装置から次亜塩素酸を発生させた結果、部屋のドアノブなどに付着したA型インフルエンザウイルスを、60分で99%以上抑制し、部屋に浮遊したA型インフルエンザウイルスは5分で99%以上抑制したことを確認しています。
次亜塩素酸は、濃度が高いと健康に害を及ぼす心配があり、その安全性は気になるところです。「ジアイーノ」から揮発する次亜塩素酸は、空気中の塩素ガスのEUリスク評価書の環境基準(0.5ppm)より低い濃度で放出されるので、空間の使用でも安心して使うことができます。また、安全性を確認するため、さまざまな実験を行って検証した上で市場に投入された空気清浄機です。
全くデメリットはないかというと、1点気になる点があります。ジアイーノは、水道水と塩を電気分解することで、次亜塩素酸を生成します。ジアイーノを使うと次亜塩素酸で脱臭効果がありますが、代わりに汚れやニオイなどに反応して塩素臭が発生する場合があります。必ず塩素臭が発生するわけではありませんし、個人差もありますが、この臭いが気になる人も一定数いるでしょう。
まとめ
インフルエンザに効果が検証された空気清浄機を2つ紹介しました。あなたの住環境に応じて、最適なほうを選択してもらえればと思います。インフルエンザウイルスを除菌するためには、長時間稼動させておく必要があるので、使い方にも注意してほしいところです。
インフルエンザへの対策は、空気清浄機のみではなく、予防接種、手洗いや拭き掃除などと併用することによって、より効果が高まりますので、ほかのインフルエンザ対策もあわせて行ってみてください。