キリンビバレッジから発売している北海道限定の飲料『キリンガラナ』は、ガラナエキスが入った独特の味でファンの多いロングセラーの飲み物です。
その独特の味からどんな成分が含まれているのか気になるという人も少なくないでしょう。
まずはキリンガラナの100mlあたりの栄養成分を確認してみましょう。
たんぱく質 0グラム
脂質 0グラム
炭水化物 11グラム
食塩相当量 0グラム
カリウム 2.6ミリグラム
カフェイン 10ミリグラム
栄養成分からキリンガラナに含まれている成分としてわかるのは、炭水化物とカリウムとカフェインになります。炭酸飲料に含まれる炭水化物は、糖質と食物繊維で構成されていますので、この2つが成分としては含まれていることになります。
次に原材料を確認していきます。
砂糖
ガラナエキス
炭酸
カラメル色素
酸味料
香料
カフェイン
キリンガラナに含まれている糖質は、果糖ぶどう糖液糖と砂糖であることがわかります。そのほか着色料としてカラメル色素、味付けや香りづけには酸味料や香料が成分として含まれています。
酸味料や香料にはさまざまな成分があり、どのような成分で構成されているかはブラックボックスでわかりません。ただ、ガラナエキスは含まれているもののおそらく極めて微量であり、ガラナのような味や香りがするのは、この酸味料と香料の配合で味と香りが形成されていると考えられます。(根拠は後で説明します)
しかし、ガラナエキスも微量ながら含まれているので、全く成分として含まれていないわけではありません。ガラナエキスに含まれる成分にはどんなものがあるのかも確認しておきましょう。
目次
ガラナエキスの成分
ガラナエキスつまりガラナの成分にはどんな成分があるのでしょう。ガラナの主な成分には次のようなものがあります。
- ガラニン
- サポニン
- タンニン
- カテキン
- 油脂
- テオブロミン
- テオフィリン
などの成分が含まれています。
各成分を解説していきます。
ガラニン
ガラニンとはカフェインのことです。ガラナの主成分です。
キリンガラナのラベルにも記載がありますが「ガラナにはコーヒーの約3倍のカフェインが含まれている」というくらいカフェイン含有量が多いのが特徴です。
カフェインには
- 眠気を覚ます覚醒作用
- 疲労感をとる興奮作用
- 老廃物を排出する利尿作用
- 血流をよくする血管拡張作用
があることが知られています。
サポニン
サポニンは、植物の根や葉や茎などに広く含まれている成分で、苦味やエグみのもとになる成分になります。
サポニンの効果として知られているのは
- 肥満を予防する
- コレステロール値を下げる
- 血流を改善する
- 免疫力を高める
- 肝機能を高める
- 咳や痰を抑制する
があります。
タンニン
タンニンは、ポリフェノールの一種で、渋みのもととなる成分です。ワインや茶葉に多く含まれていることで知られています。
タンニンの効果として知られているのは
- 高血圧や糖尿病などの生活習慣病の予防
- 下痢を改善する
- 肌の引き締め・美白
があります。
カテキン
カテキンもカフェインと同様に、キリンガラナのラベルにも記載がありますが「ガラナにはコーヒーの約3倍のカテキンが含まれている」というくらいカテキンの含有量が多いのが特徴です。
緑茶に多く含まれているのが有名で、タンニンと同様にポリフェノールの一種で、渋味や苦味のもととなる成分です。強い抗酸化作用や殺菌・抗菌作用があるので、細菌やウイルスから守ってくれます。
カテキンの効果は
- 高血圧や糖尿病などの生活習慣病の予防
- 血糖値の上昇を抑える
- 体脂肪を減少させ肥満を予防する
- 感染症を予防する
- 虫歯や口臭を予防する
になります。
油脂
油脂は文字通り油分(脂分)になります。詳しく言うと脂肪酸のグリセリンエステルで、植物性の油脂や動物性の油脂があります。ガラナは植物なので、植物性の油脂に該当します。
油脂はエネルギー源として燃焼されたり、細胞膜を構成する成分として使われたりします。
テオブロミン
テオブロミンはチョコレートの原料であるカカオに含まれていることでよく知られている成分です。薬の成分としても利用され、血管拡張薬や利尿薬としても用いられています。
テオブロミンの効果は
- 血管拡張による血行促進
- 気管支拡張による咳の抑制
- 利尿作用による頭痛の鎮痛や解熱作用
- 脳の活性化による覚醒作用や自律神経の調整
があります。
血行促進効果によって、血圧安定、脂肪減少、冷え症やむくみの解消、動脈硬化や脳・心筋梗塞の予防、生活習慣病の予防なども期待できると言われています。
また、脳の活性化によって、集中力・記憶力アップ、ストレス軽減、食欲の抑制なども期待できます。
テオフィリン
テオフィリンは茶葉の苦み成分で、テオブロミン同様にカカオにも微量含まれていることで知られています。現在では医薬品として気管支炎や気管支喘息などの呼吸器疾患の治療にも使われています。
医薬品は濃度が高く副作用も報告されていますが、食品に含まれている程度の量であれば、そこまで神経質に気にする必要はないでしょう。
キリンガラナにおけるガラナの効き目
キリンガラナにおいてガラナの効き目があるかについて、結論から言うとほとんどその効果はないと考えたほうがいいでしょう。キリンガラナには、ガラナエキスが含まれているものの、その量は極めて少なく微量しか入っていないと考えられます。
なぜ、そのように考えられるかという根拠ですが、それはカフェインの量にあります。
例えば、ガラナエキスの果汁が100%と仮定した場合、ラベルにも記載がある通りコーヒーの3倍のカフェインが含まれています。コーヒー100mlあたりのカフェイン量が約40mg~60mg含まれていることから、ガラナエキスに果汁100%には100mlあたり約120mg~180mg含まれていることになります。
ガラナエキス果汁100%というのは現実的な数値ではないので、ガラナエキス果汁10%としましょう。それでも、カフェインの量は約12mg~18mgになります。キリンガラナのカフェイン含有量は100mlあたり10mgなので、ガラナエキス果汁10%のカフェイン量よりも少ないことがわかります。
さらに、原材料を見てみるとカフェインが別途追加されていることがわかります。つまり、キリンガラナを構成するカフェインは、ガラナエキスと追加されたカフェインの合計の数値であることがわかります。
このことから、キリンガラナに含まれるガラナエキスは10%未満で、相当微量であることが説明できるわけです。そのため、ガラナエキスによる効果は限定的で全くないわけではないものの、ほぼないと考えてよいと思われます。
キリンガラナは、あくまでもガラナ味に似せて製造されたガラナ味を楽しむためのガラナ風のジュースであり、ガラナの効果を得るために飲む飲み物ではないと考えたほうがよさそうです。
キリンガラナは眠気に効くのか?
キリンガラナには、カフェインが含まれていますので、眠気にも一定の効き目はあります。ただ、カフェインの含有量は100mlあたり10mgとほかのカフェインを含んだ飲み物より数値は低めです。
ほかの飲み物と比較してみると
飲料(100mlあたり) | カフェイン含有量 |
---|---|
キリンガラナ | 10mg |
コカ・コーラ | 約10mg |
モンスターエナジー(緑) | 40mg |
レッドブル | 32mg |
リアルゴールド | 0mg |
オロナミンC | 15mg |
エスプレッソ | 212mg |
ドリップコーヒー | 60mg |
紅茶 | 30mg |
玉露 | 160mg |
煎茶・ほうじ茶 | 20mg |
玄米茶・番茶 | 10mg |
このため、眠気に効く、つまり、カフェイン量が多いコーヒーや玉露のほうが、眠気への効き目としては強く、適していることがわかります。
それでも、キリンガラナにはカフェインが含まれているので、全く効かないわけではありませんが、人によってはこの程度のカフェイン量では全く眠気に効かないという人もいるでしょう。
ガラナにはガラニンというカフェインが含まれていますが、キリンガラナに含まれるガラナエキスは前述したとおり、極めて微量なのでその効果はあまり期待できないでしょう。
まとめ
キリンガラナは、含まれているガラナエキスの量はとても微量であり、ガラナ味を楽しむためのガラナ風のジュースであって、ガラナの効果を得るための飲み物ではありません。ガラナを摂りたいなら、もっと濃度のあるサプリなどのほうが適していると思われます。
眠気にはカフェインが100mlあたり10mg含まれるので、一定の効き目はあると考えられますが、コーヒーなどと比べるとその量は少なく、カフェインに強い人などは全く眠気に効かないという場合もあるでしょう。
キリンガラナは北海道限定のガラナ味を楽しむためのジュースで人気も根強いです。キリンガラナが気になって、この記事を読まれていると思いますので、キリンガラナを純粋に楽しんでもらえれば幸いです。